いきすぎたイジメは犯罪です
「こりゃまた随分と古典的な・・・・」
でも陰湿で、自分の正体を隠して相手を困らせるという第一の目的を果たしているという点では、まぁ評価に値するかもしれない。
「めんどくさいなぁ。」
とりあえず落書きされぼろぼろになった上履きと共に突っ込まれていた手紙(と呼べるものなのかどうかは定かではないが)を無造作に取り出し、は職員室へ向かった。
「オハヨウゴザイマース」
「おぅ、じゃねぇか!どうしたんだ?」
ガラガラとドアを開けた途端目に映ったのは、パンを加えたカカ先生―――孫悟空の姿だった。相変わらずの爽やかさである。
「カカ先生、悟飯君が見たら行儀悪いって怒りますよ?」
「いっ?」
「嘘ですよ、相変わらずだなぁ・・・。」
突然出てきた息子の名に驚いたらしい、銜えていたパンを落としかけるという微笑ましい姿にくすくすと笑いながら、はここへ来た目的を告げた。
「ベジータ先生いますか?」
「おう、来てるはずだぞ。ベジータっ、が呼んでるぞ!!」
悟空が声を上げると、奥からベジータがコーヒー片手に出てきた。
「何だカカロット、朝から騒々しい・・・」
「がおめぇに用があるらしいんだ、まあそう言うなよ。じゃぁな、オラ仕事残ってっから。」
くしゃりとの頭を一撫でして、悟空は自分のデスクへと戻って行った。
「・・・カカ先生でも机に向かうことがあるんですね・・・」
「三ヶ月に一度あるかないかだ。で、用は何なんだ。」
「ぁ、そうそう、スリッパ貸してもらえますか?」
「スリッパ?何故そんなものがいる、自分の靴はどうした。」
「ゃ、諸事情により使用不可となってしまいまして・・・」
「・・・・まぁ良いだろう、但しゴキ〇リ退治には使うなよ。」
さすがにそんなことしませんよっ、というの反論は完全に無視し、ベジータは隣の棚からスリッパを取り出す。
「ちゃんと使える状態で返せ、でなければ弁償だ。」
「ありがとうございまーす」
受け取ったスリッパに足を突っ込んでからきっちりと頭を下げ、はぱたぱたと教室へ急いだ。
その様子を眺めながら冷めたコーヒーにもう一度口をつけ、ベジータは再び書類との睨み合いを開始した。
「ぁ、おはよう。」
「おはようございますさん。」
「おはよー。・・・あれ、ビーデルは?」
「今朝は軽く修行してから来るから遅くなるらしいです。」
「ふーん・・・さすが、詳しいねぇ悟飯くん。」
「ぇ、いや別に・・・っ」
ニヤニヤとからかうと、悟飯は顔を赤くしてそれはもうわかりやすい反応を返してくれた。
このわかりやすさは本当に彼の父親そっくりだ。
「あれ、こそ足どうしたの?」
「あぁコレ?ちょっと上靴潰しちゃってさ、職員室行って借りてきたの。」
ついでに貴方のお父様が食パンを口に銜えたままうろうろしてるのも見てきたわよ悟飯くん―――とは、あえて言わないことにする。
「潰した、って・・・ゴキ〇リ退治にでも使ったんですか?」
「ちょっと、みんな私のこと何だと思ってんのよ・・・」
はひきつった笑いを見せ、それから一つ溜息をこぼした。
「(・・・・ま、やっぱこんなもんよね。)」
はもはや原形を留めていない上靴を持ち焼却炉に向かいながら、例の手紙を読んでいた。
中身は面白くないほど予想通りで、を罵倒する様々な言葉が並べられているだけである。
「私が黙って別れるとでも思ってんのかしら。」
―――まぁ、まずそうは思ってないでしょうね。
焼却炉に靴を放り込み燃え上がる炎を見つめながら、さてどうしたものかと思考を巡らせる。
「(警告、ってとこか・・・・)」
「っ、ちゃん危ねぇ!!」
めんどくさい、とでもいうように盛大にため息を吐き出した瞬間、は聞き慣れたその声の持ち主に見事なタックルをかまされ―――
がしゃん
すぐその隣で、重い何かが割れる音がした。
「大丈夫か!?」
「ら、ラディ・・・・・ありがと・・・・・」
「っだよコレ・・・・・・おい、まさかちゃん、」
ラディッツは頭の回転が速い上に、以前このような目に遭ったときもそれなりに世話をかけた。
花瓶が降ってきたことに併せてが上靴を履いていないのを見て、気づいたのかもしれない。
はラディッツの唇に自分の人差し指を当て、静かに首を横に振った。
「・・・・・手は出すな、ってか。」
「さすがにもう自分で解決できるよ。ここで私が一暴れしとけばこれからもう先こういうことが起こらないかもしれないし。」
「後でターレスに何言われるかわかんねぇぞ。」
「・・・・・ま、まぁその辺は何とか上手くやるよ・・・・」
「・・・・ったく・・・・ほんとそーゆーとこ変わってねぇよな。あんま、心配かけんなよ。」
ラディッツは立ち上がり制服についた土や埃をパンパンと祓ってから、腕を掴みを立ち上がらせた。
「うん、ごめんネ。何か色々ありがと。」
「あんま気にすんな。」
「・・・・で、ラディは何でこんなとこいるの?」
「・・・まぁ、俺にも色々あんだよ・・・・」
まさかタイムセールのために授業サボったのがバレて掃除させられてます、なんて言えるはずもない。
ラディッツは目線を反らして乾いた笑いを浮かべた。
「・・・・・頑張れ、世間は主夫の見方だよ・・・・」
ぽん、と肩を叩かれ
「・・・・・ありがとよ・・・・・」
何故か、少し泣きたくなった。
折角の学園物だから他のキャラも出そう!ということで頑張ってみたら、何と肝心のターレスが・・・す、すみませ・・・っ
ありきたりなネタですが、もう少し続きます。