、と名前を呼ばれて
その声があまりにも優しいから、私はそれが夢なのか現実なのかわからない。
それからゆっくりと髪を撫でられ、「起きろ」と言われ
そこでようやく頭と体が覚醒に近付く。
ゆっくりと目を開くと、まるでまだ夢の中にいるかのようなキラキラした世界を見付ける。
最 強 の 人
「・・・・で?」
「何その反応、ベジットつーめーたーいー」
「てめ、そんなノロケみたいな話聞いてやってるだけでも感謝しろよ。」
「これのどこがノロケだってのよ、立派な悩みじゃないのさ!」
「だから一体何に悩んで」
「エロい。」
きぱっと言い切った私に、ベジットは
「・・・・は?」
と、ぽかんと呟いた。
だってキラキラして爽やかなのかと思えばエロいんだもん、あの起こし方!つか声!!
毎朝毎朝心臓ばっくばくだってのよ。
「まぁそりゃ・・・あいつも男だから、なぁ。」
「違う違う、そんなアンタみたいなわっかりやすいエロさじゃなくてー・・・何かこう、色気っていうの?
そこにいるだけでアレなのに、あんな起こし方されたらさぁ・・・・」
「・・・・・・・エロいのはお前の方だろ。」
「んなっ、酷いベジット!!うら若き乙女に向かってエロいだなんて!!」
ばんばんと机を叩いて抗議すると、何だかベジットの気が膨れ上がってきた。
「何だ、文句あるなら今ここで・・・・・」
「昼間っから煩い。」
背後から聞こえた声に、二人して情けないほどびくっと肩が上がった。
「ご、ゴジータ・・・・・」
「ベジット、暇だからってすぐに喧嘩に持ち込むなとあれほど言ってるだろ。」
「違うぜゴジータ、今回はが、」
「あー何でもない何でもない!!うんごめんねベジット私が悪かった!!!」
冗談、さっきの内容知られたらもうゴジータに顔向けできないじゃないのさ!!
「・・・・お前な・・・・」
「もーいいでしょベジット、ほら何かゴテンクスが呼んでるよ!(ナイスタイミング!)」
「そういえばベジット、お前今日はあいつの相手をしてやる約束じゃなかったのか。」
「げっ、マジに忘れてた・・・・」
よしっ、これで何とかこの場は免れた!
小さくガッツポーズする私を見て、ついさっきまでベジットが座っていた椅子に座ったゴジータは
「で、誰がエロいって?」
と恐ろしい一言を放った。
「な、もしかして聞いて・・・・っ」
「というか、聞こえた。」
「ひーっっ!!」
あわあわしていると、ゴジータに手招きをされた。
この状況で近付くのは非常に恥ずかしいのですが・・・・
「な、何・・・・わっ」
逆らうのが怖くておとなしく近付くと
すとん
と。
「え・・・・・」
ひ、膝の上ですかー!?
「ちょ、ごごごゴジータ!!」
「ん?」
ん?じゃなくて!
「恥ずい、恥ずかしい、死ぬ!!」
「・・・・死にはしないだろう、さすがに。」
まるでゴジータに跨ってるようなこの体勢で、耳元で喋られると物凄く困る。
「。」
って言ってるそばから名前呼ぶし!!
「な、何・・・・」
「嫌なら、ベジット・・・・・いやアイツは逆に危ないな、ゴテンクスを寄越す。」
「え?」
「朝の話だ。」
「え・・・・やっ、別に嫌とかじゃないんだけど!
寧ろゴチソーサマって感じで・・・・ってちょっと笑わないでよ!」
くっくっ、と肩を震わせてる。
ゴジータがここまで笑うのは珍しい。
珍しい・・・・・けど、今笑われても嬉しくはない。
「は不思議だな。」
「・・・・・変ってこと?」
「そうとも言う。」
私には怒る暇も与えられず、ぎゅっとされた。
そのまま、耳をかり、とされ、て・・・・?
「ひゃぅっ、」
慌てて離れようとしてもしっかり抱き締められたこの体勢じゃそれも無理で。
耳を押さえて睨んだら、やっぱりゴジータは楽しそうだった。
「ちょ、ななな何す・・・・っ」
「可愛いな、は。」
「はぁ!?」
文句を言うより先にキスをされた。
こうなったらもう、後はされるがまま(だって好きなんだもん、カッコいいんだもん、色気あるんだもん!)
でもでも
「こ、此処じゃ困る、死ぬほど困る!!」
ベジットたちに見られたらどうすんのさ、ゴテンクスの教育にも悪いよ!
「・・・・見せ付けてやればいい。」
「それもっと困る、し・・・・」
もう黙ってろと言わんばかりの三度目のキス。
そのすぐ後に
「やっべ、危ねぇ!!」
ひゅん、と頭の上を何かが通りすぎていって
どかん、とすぐ側で爆発した。
「・・・・・・・」
顔の筋肉が引き攣る私と
わなわなと怒りで肩が震えるゴジータと。
「・・・・・」
「は、はい!?」
「少し、此処で待っていろ。」
「ぇ・・・・此処で?」
「・・・・・・・此処で、待っていろ。」
ゆっくりと私を下ろして椅子に座らせるゴジータ。
ちょ・・・・怖い!マジ怖い!!
ありえないぐらい気が膨れ上がって・・・・・!!
「よ、喜んでお待ち申し上げます・・・・!!」
その後何度か逃げようと思ったけど、その度に向こうの方から轟音と悲鳴が聞こえてきて
臆病な私は、結局逃げることは敵わず。
「・・・俺、やっぱアイツには勝てねぇのかな・・・」
「・・・・・・・あの人こそ、ほんとの宇宙最強だもん・・・・・・・・」
痛む腰に堪えながら、後にベジットとこんな会話をするハメになった。
ゴジ夢二作目。
何だか前作と、あまり、変わらない・・・よう、な・・・・
少しでも楽しんでいただければ幸いです。