出席日数不足で留年なんて嫌すぎる・・・!!


「あああぁぁあああっ、もうっ、どうしてくれんのよ!!!」

「あぁ?俺のせいかよ、お前が寝過ごしたのが悪ぃんだろ!?」

「元はといえばあんたが・・・・っっ」

「・・・・・俺が、何?」

「・・・・・っ、ニヤニヤすんなっ、思い出すなっ、走れ変態馬鹿○倫!!!!!」


朝っぱらからとても女子高生とは思えないような暴言を吐いている彼女の名は

その隣の、褐色の肌をしてピアス開け放題のいかにもチャラチャラした感じの男は、の彼氏のターレス。

何故二人が今こんなに必死に走っているのかは二人の会話から想像して頂くとして、兎に角、二人は必死だった。

いつもなら笑顔で挨拶を交わすウォーキング中のおばさんも、いつもなら頭を撫でてやる散歩中の犬も、今のには目に入らない。




『遅刻連続三回で一回分の欠席とする』




二人が通うリュウキュウ学園には、このような規定があった。

ちなみに、リュウキュウ学園は沖縄にあるのではなく、「琉球」ではなく「龍球」学園である。



は昨日も一昨日も遅刻をしていて、つまり今日遅刻をすれば合わせて一回の欠席扱いとされてしまう。

サボり・遅刻・早退魔であるにとってこのような予定外の欠席日数の増加は非常に痛い。

早い話、卒業が危ない。




「あぁ・・・もう絶対間に合わないじゃん・・・・」


通り過ぎようとした公園の時計を見て、の表情には『絶望』の二文字が浮かび上がった。

午前8時29分

ここから学校まであと1kmはある。

いくら並外れた運動神経を持つとターレスでも、さすがに一分で1kmは辛い。


「あー、諦めるしかねぇな。」


「あああぁぁああああ、卒業がああぁぁぁああああ・・・・・・・」


嘆きながらも、もとっくに足を止めてしまっている。

元来、無駄な努力は大嫌いなタイプなのである。


「残念だったな、いっそサボってどっか行くか?」

「んなことしたら更にヤバくなるでしょ、ちゃんと行くっつの。」



どこか嬉々としていたターレスの言葉は、の冷たい一言であっけなく否定された。





「・・・・翌日にさぁ。」

「あ?」

「翌日に、学校あるときは・・・もうちょっと、さぁ・・・」


少しだけ頬を赤らめて口を尖らせてもごもごと喋る姿は、まさに「愛らしい」という表現がぴったりだ(とターレスは本気で思っている)


「もうちょっと、何?」


わかっていても、敢えて相手に言わせたいのがターレスの性。

ニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべながら、の顔を覗きこんだ。



「〜〜〜〜っ、だから、もうちょいこっちのことも考えてよ!そりゃそこらのオンナノコよりは体力あるかもしんないけど・・・・」

「何言ってんだよ、最後離さなかったのはの方じゃねぇか。」

「はぁ!?嘘、それは絶対嘘、ありえない!!」

「・・・あ、そう。今更そういうこと言うんだ。」


『ふーん』と、相変わらずニヤニヤしながらターレスはの方へ一歩二歩と近づいた。



「何なら、今から試してみるか?お前がどんだけ善がるか。」

「ちょっ、嫌に決まってるでしょ、ここどこだと思ってんのよ!!」


ターレスが一歩踏み出すごとに一歩後ずさりをしていただったが、両手をあっさりと捕まれてしまいこれ以上距離を取ることができなくなってしまった。



「大丈夫、誰も見てねーってv」

「嘘吐け、んなありえないこと言うなこの不良!」


ぎゃぁぎゃぁと騒いで何とか腕を振りほどこうとするも、ターレスの力には全く適わない。



「・・・・ターレスぅ・・・・」

「・・・・・・あー・・・・・・・・わかった、わかったからそんな顔すんな!!」


いくらターレスとはいえ、まさかこんな通学路のど真ん中でヤろうと思っていたわけではない(あわよくばこのまま人気のないところへ・・・とは思っていたかもしれないが)


に酷く困ったような顔で見上げられて、このままでは本気でヤバイと―――このまま理性がぷっつんしてここで襲ってしまい兼ねないと、大人しく手を離した。



と、そのほんの0.5秒後






バゴッッ






「〜〜〜〜〜ってぇっっ!!!」

「この私を手玉に取ろうなんざ、百年どころか一億年早いのよ。」



ふふん、と何故か妙に得意気な笑みを浮かべ、その場に蹲るターレスを置いてはさっさと歩いて行ってしまった。







「・・・・ったく、しゃーねーな・・・・」






「ちゃんと掴まってろよ。」

「へ?・・・・うゎっ」

「今からなら、飛んで行きゃ一限には間に合うだろ。」


ターレスは軽々とを抱え上げ、とん、と地面を蹴って空へと飛び上がった。







「・・・・・あのさ。」

「あ?」

「別に、翌日が休みなら、そこまで怒んないし困ることもないからさ・・・・」



学校があるときは、やっぱりもうちょっと優しく・・・・ね?



自分の腕の中で、何の計算も無く、恐ろしく男殺しな台詞を躊躇いながら吐いたに、ターレスはこのままラブホにでも飛んで行ってしまおうかと考えた。






そんな、割と日常的な二人の通学。









そんなわけで第一話、バカップル節炸裂でございます。つかこんな高校生嫌だ。
うちのヒーローであるレタスさんが非常に偽者のような気がします。難 し い Y O ★
この先もこんな感じでダラダラと続いていくと思われますので、宜しければ管理人の自己満足にお付き合い下さいませ。