「だーかーら、左!左側隙だらけどころか隙だけで出来てるんだよ、毎回毎回言ってんだろうが!!」
「あーもううるさいうるさいわかってるってば!!」
「わかってんならいい加減直せ、毎回同じこと言わせんじゃねーよ!!」
わ か ら な い 娘
「うっぜー、アイツマジうっぜー!!!」
「お前のほうがウザイ、煩い。」
「うわ何ゴジータ、何でお前そんな俺に手厳しいの。俺何かしたか?」
「いや、存在自体が。」
「・・・・・・・・・・・・。」
思いっきり睨んでみたものの、金髪の彼は優雅に読書なんかしたまんまで、勿論目線がこちらに向く筈もなく。
ベジットは諦めておとなしくゴジータの隣に腰かけた。
「なー、アイツどう思う?」
「何?」
「アイツ、、。」
「どう、って・・・修行の話か?勘は悪くないだろう。」
「いや、それはそうなんだけどよ・・・・」
もともとは所謂「パンピー」なお嬢様(とゆうよりは男勝りな小娘)であったも、此処に来て色々な経緯から(半分以上は本人の希望によるが)修行を受ける中で随分と成長した。
ものの一週間で武空術をマスターしたのはまさに見事としか言いようがなく、その点も含め、それ以外でも彼女は自らの勘の良さを多々披露している。
披露している、の、だが。
「アイツ毎回左ががら空きなんだよ。もう一週間は言ってんのになっかなか直ってこねーし・・・」
「にも不向きなことぐらいあっても不思議じゃないだろ。」
「そりゃ俺様みたいな天才はこの世に二人といねーし、それはわかってんだけどさぁ。」
彼女がこの短期間で目覚しい成長を遂げたのは、何も天性の才能によってだけではない。
そこには当然のように、勿論ちゃーんと「多大なる努力」も含まれていて。
だからこそ、それを知っているからこそ、ベジットは未だに状況が改善されないことを不審がった。
「そんなに急ぐこともないんだ、ゆっくりやるしかない。」
「いや、俺様が教えてやってんのに成長しないとか許せねぇし。」
「・・・・・・アイツの『師』はお前だけではなく俺もそうなのだということを忘れるなよ。」
見えない火花が、飛び散った。
***
「姉ちゃん、左!」
「え?うぎゃぁっ!!!!」
修行の様子を見つめていたゴテンクスの声に反応した時には既に遅く。
はとても女とは思えない声を上げて、吹っ飛んだ。
「また左でやられたぁ・・・・」
いたた、と身体を起こすと同時に、ゴジータが隣にしゃがみこんだ。
「『また』ということは自覚はしているのか。」
「ぅ、うん・・・・自覚はね、ちゃんとしてるつもりだし、気をつけてもいるつもりなんだけど。」
「そうか、なら良い。」
意外なゴジータの言葉に、は目を丸くしてゴジータを見つめる。
「・・・・どうした?」
「え、いや・・・・てっきり怒られるのかと思った。」
「何?」
「ベジットなら即効怒って怒鳴ってるよ。」
苦笑するに、成る程それはその通りかもしれない、とゴジータは納得した。
「何も今すぐ出来るようにならなくてもいい。自覚が出来ているなら、直るのも時間の問題だろう。」
「うーん、だといいんだけどねぇ・・・・」
「ただ・・・・・」
これまでの修行の中で出来たの左腕の傷を指で辿りながら、ゴジータは言葉を止めた。
「?ゴジータ?」
「これ以上傷を増やす前に、早くその左に隙を作る癖を直したほうがいいのは確かだな。」
「うっ・・・・いや、確かに、ちょっと最近こっち側ばっか傷多いなぁとは思ってたけど・・・・」
「何より、お前の身体にベジットが傷をつけるというのが不愉快だ。」
「え?」
「行こう、ガーゼを貼りかえる。」
「あ、ちょっと待ってよ!」
は慌てて立ち上がり前を行くゴジータを追いかける。
心配してくれるゴジータがなんだか嬉しくて(そこにある『嫉妬』の存在には勿論気づかない)、は思わずふんわり微笑った。
「あ、何サボってんだ!」
「別にサボってないよ、ゴジータに手当てしてもらって」
「ベジット、お前普段手加減してやってるのか?」
左腕の傷の多さに、ゴジータがの言葉を遮って。
ベジットは思わずぐっと言葉に詰まった。
「そ、そりゃ・・・俺が手加減してやらなかったら今頃こいつ死んでるし。」
「そうか。」
「・・・・・・・・・・。」
そうか、って。何かめっちゃ殺気感じるんですけど。
勿論口にはしないけれど、不機嫌丸出しな顔でベジットは手当てされているを見た。
「?何?」
「いや、お前・・・・大事にされてんのな。」
「はぁ?」
何のこっちゃと眉を顰めたにベジットはため息一つ。
(コイツに兄貴がいたらこんな気分なんだろうな・・・・)
最も、なら「こんな兄はいらない!」とはっきりきっぱり言い切ってしまうだろうけれど。
「だからわかってるってば、うるさいなぁもう!!」
「頭でわかってても身体が出来てなきゃわかってないと一緒なんだよ、何回も言わせんなヴァーカ!!!!!!」
の左傷が消えるには、まだ少し時間がかかりそうである。
ゴジータ夢なのかベジット夢なのか・・・
ゴジータ前提でベジットとじゃれてる、という感じでしょうか。
ベジットには近所の昔馴染みのお兄ちゃんでいてほしいです。血縁関係はちょっと・・・(笑)